お久しぶりの更新。
明けましておめでとうございます。
年末年始、周囲とは違ったイベントがあるため、あまり年明けた感じはしないけれど、、、。
しかし、年明け早々、とても素敵な出会いをしたのでご紹介。
彩瀬まるの「くちなし」
「遠ざかるほど、愛に近づく」という帯と、表紙の色彩に惹かれて購入。
非現実的なユニークな世界観の中に見える愛の形を描いた短編集。
表題作「くちなし」、不倫相手に別れを告げられ、関係の精算として左腕をもらい、愛した男の片腕と生活する。
そんな、えええ、腕取り外せるとかそういう話なの!?みたいな。でもその衝撃よりも、奇妙な世界観の中で浮かび上がる男と女の情とか、愛し方とか、その人自身の在り方とか。
非現実的な奇妙な世界だけど、でもほんとはそれは非現実的なんかではなくて、実はわたしたちの中にはこんな奇妙で執念深くて疲れた愛が眠ってたりする。
ハマる人にはどハマりする、少しずつ影のある愛情の抱き方、性の価値観を絶妙に描いてる。
わたしはもともと、短編集って中途半端な感じがして苦手だったけれど、この短編集はその中途半端感?がすごく作品にマッチしてた。
図書館へ行って、早速三作借りてきました。
どんな世界を感じられるか楽しみです。